『かわいい女』
“THE LITTLE SISTER”
レイモンド・チャンドラー 著
清水 俊二 訳
東京創元社
創元推理文庫
マーロウの元に眼鏡をかけた女が依頼を持ってきた。なけなしの20ドルで失踪した兄を探して欲しいのだと言う。女の言動に怪しいものを感じながらも、マーロウは彼女の兄オリンの探索を始める。
オリンが住んでいたというアパートに行ったマーロウをあざ笑うようにアパートの管理人が殺されてしまう。
事務所に戻ったマーロウは、謎の人物から電話で預かって欲しいものがあるという依頼を受ける。待ち合わせのホテルへ行くと、アパートで出会った人物が殺されており、マーロウも銃で殴られ、探し物をしていた人物に逃げられてしまう。偽名を使っていた彼が預かって欲しかったものをマーロウは見つけ出した。
それによって、マーロウは更に複雑な事件に身を投じることになる。
面白さ:☆☆☆☆
もうマーロウが出てるだけで満足ですよ! という部分があるのも否定は出来ません。個人的に、マーロウの行動が『湖中の女』よりも理解できました。ラストの怒涛の展開にも感動しました。マーロウカッコイイ!
舞台はハリウッド、映画界の裏までも、ハリウッドで仕事をしていたチャンドラーが抉り出しています。
自分はハードボイルドの定義とかよくわからないので、なんか間違ってたらすみません。
チャンドラーの書く作品は、端役の一人に至るまで、ほとんどの人間に悪意があるように感じます。もちろんこれは悪い意味ではなく、人間の本性が出ているといえると思います。初対面の何かを探っている探偵(マーロウ)に好意的ではないのは当たり前といえば当たり前ですが。
ミステリは、謎を作るために作者がキャラを動かしていると感じることがあります。しかし、チャンドラーの小説では、どのキャラも自分の意思で行動した結果、謎なり事件なりが起こっているという印象です。
現実にそのまま当てはまるかといえばあてはまらないでしょう。しかし、悪意を描いて、より人間を深く描いていることが彼の小説の特徴なのではないかと思いました。
ただ、原書で読んだわけでもなく、翻訳も色々な意味で有名な方の訳で、読んだのが私なので色々見落としているということも否定できません。
テーマ : 推理小説・ミステリー - ジャンル : 本・雑誌