『夏期限定トロピカルカフェパフェ事件』
米澤 穂信 著
東京創元社
創元推理文庫
高校二年生になっても、小鳩くんと小佐内さんは相変わらずの互恵関係にあった。学校ではよく一緒にいるものの学校から出てしまえばあまりかかわることはなかった。
しかし夏休み、小佐内さんが珍しく小鳩くんの家までやってきた。そして差し出したのは<小佐内スイーツセレクション・夏>であった。いくつもの街のお菓子屋さんが記されたその地図を受け取った小鳩くんは、小佐内さんとお菓子屋めぐりをすることになってしまう。
あまり乗り気でない小鳩くんであったが、小佐内さんに仕掛けた知恵比べに負けたこともあって、<小佐内スイーツコレクション・夏>めぐりに付き合わされることになってしまうのであった。
面白さ:☆☆☆☆
相変わらず小市民を目指す二人のシリーズ第二弾です。この作品も連作形式になっています。最初のうちは、ちょっとした謎の推理や解決が軸になっていますが、ストーリーに伏線を張って、次の話につなげていっています。
前作は奇妙な関係の二人が遭遇する謎と、少しだけ明らかになる小佐内さんの謎という話でしたが、本作は前作に比べてより深く切り込んだ内容になっています。
短編だけでみると小粒な印象ですが、全体を通してみるとなかなか読みごたえがあった作品だと思います。
小鳩くんを狐とするならば、小佐内さんは狼であるという例えを見せつけられます。しかし、それすら最終的には……。二人の関係の行く先にも注目です。
甘ったるいかと思えばビター。その苦みが、余韻となって心に残ります。
テーマ : 推理小説・ミステリー - ジャンル : 本・雑誌